導入事例詳細

東京理科大学 理工学部 先端化学科
酒井秀樹・酒井健一研究室
酒井 健一 准教授 殿

ご研究内容について簡単に概要をお教え下さい。

 酒井秀樹・酒井健一研究室では、コロイド・界面化学を学術基盤に研究を行っています。新しい界面活性剤を合成し、その物性を評価する、さらには、界面活性剤を利用することで機能的な材料(エマルション・サスペンション・αゲル・無機微粒子等)を創製しています。また、当研究室では、気体/液体、液体/液体、固体/液体といった各種界面でおこる現象を解明することにも注力しており、固体/液体界面における吸脱着現象の解析に必要不可欠なツールとしてQCM-Dを利用しています。

Biolin Scientific社製のQSenseの存在はどうやって知りましたか? また導入の決め手は?

海外(英国)で3年間ほど博士研究員を行っていました。そのときにQCM-Dをはじめて利用し、測定感度や安定性の高さを実感しました。各種材料で修飾されたセンサを入手可能である点も、この装置の利点(汎用性の高さ)と思いました。

Biolin Scientific社製のQSenseを貴所(研究室・部門)ではどのように活用していますか?

固体/液体界面における吸脱着現象の解析に利用しています。吸着種としては界面活性剤を対象とする場合が多いですが、医療用の薬剤や潤滑油添加剤、表面処理剤などを取り扱うこともあります。
QCM-Dは様々な種類のセンサを入手可能であるため、応用範囲の広い解析装置といえます。
当研究室では、民間企業との共同研究も行っていますが、QCM-Dは「現場」でおこる現象を再現(模倣)するのに適した装置です。

ユーザから見たBiolin Scientific社製のQSenseの利点を教えて下さい。

① 安定性が高く、測定感度もよい。
② 各種センサを入手可能で、応用範囲が広い。
③ 測定用や解析用のソフトウェアも充実しており、使い勝手もよい。
④ 故障が少ない。
⑤ モジュールも多数あり(エリプソモジュール・窓付きモジュール・湿度調整用モジュールなど)、装置の拡張性が高い。
⑥ 実験室用の装置はコンパクト設計である。

今後のQSenseを使った研究のご予定や、弊社およびBiolin Scientific社に期待する点を教えて下さい。

基礎研究はもちろん、社会要請の高い産業分野への応用を積極的に進めていきたいと考えています。
その中では、「〇〇〇の表面を模したセンサが欲しい」という要求が出てきますので、国内外における研究動向や実施例を紹介していただけると有益に思います。ユーザーミーティング等での情報交換も有益です。
QCM-Dの解析では常に、溶液の密度や粘度の変化を考慮する必要がありますので、それらを簡便に解析できるソフトウェアの開発にもより一層、注力いただければと思います。

東京理科大学理工学部先端化学科 酒井 健一

東京理科大学 酒井秀樹・酒井健一研究室様のQCM-Dを用いた研究発表内容のご紹介

 

1) 現場で役立つ コロイド・界面現象の測定ノウハウ(書籍) 

2) 既報の論文(タイトル名)のご紹介

・AFM,QCM-Dおよびエリプソメトリーを用いた銅めっき添加剤吸着状態の解析

・固/液界面における吸着現象の解析:原子間力顕微鏡(AFM)と水晶振動子マイクロバランス(QCM-D)の活用

・固/液界面に対する機能的な両親媒性物質の吸着挙動解析

 

※東京理科大学・酒井秀樹・酒井健一研究室様のウェブサイトはこちらから