導入事例詳細

日光ケミカルズ株式会社 R&Dセンター 半澤様・小倉様

ご研究内容について簡単に概要をお教え下さい。

 

日光ケミカルズでは、化粧品やトイレタリー分野を中心に多種多様な界面活性剤や高機能油性成分の製造・販売をしております。近年では、医薬品、食品、インク・塗料、電子材料への展開を見据えた新たな取り組みも推進しております。また弊社R&Dセンターにおいては、コロイド・界面科学をベースに、新素材の研究開発に加えて最先端の分析装置を導入することで、お客様が抱える問題やニーズに対し、製品の機能メカニズムの観点から解明、適切な素材提供からソリューションの提案までを行なっております。これまでの大学やメーカーにはない、独自のオープンイノベーションの場を提供し社会に貢献して参ります。

Biolin Scientific社製のQSenseの存在はどうやって知りましたか? また導入の決め手は?

 

学生時代にQCM-Dを使用したことがきっかけです。当時は、主に界面活性剤の吸脱着や膜の洗浄・再汚染防止に関する評価を行っておりました。測定の簡便さや安定性、精度に加えて、QCM-Dは弊社主力製品である界面活性剤の機能評価に非常に有効であるため、購入に至りました。

Biolin Scientific社製のQSenseを貴所(研究室・部門)ではどのように活用していますか?

 

上述した通り、幅広い用途に対する固液界面相互作用の評価に使用しております。例えば、電子材料では、樹脂や無機材料に対する界面活性剤や高分子の吸脱着、さらには有機溶媒を用いた洗浄の動的評価にも使用しております。その他にも、生体材料に用いられる脂質二分子膜に界面活性剤が及ぼす影響、繊維材料に対する界面活性剤の吸着効果などの評価にも活用しております。QCM-Dは条件を適切にコーディネートすることで、実現場で生じる現象を小スケールで評価できる強みがあるため、今後も活用の場を広げていく予定です。

ユーザから見たBiolin Scientific社製のQSenseの利点を教えて下さい。

 

・測定感度が高い

・データが安定している

・基板と溶媒の選択性が広い

・相互作用のダイナミクスを評価できる

・吸着膜の粘弾性特性が得られる

・拡張性が高い(湿度モジュール・エリプソメトリーライトガイド・電気化学モジュールなど)

今後のQSenseを使った研究のご予定や、弊社およびBiolin Scientific社に期待する点を教えて下さい。

 

今後も界面活性剤による評価が中心ではありますが、用途や物質を限定することなく幅広い分野で適用したいと考えております。また、他の分析装置により得られる情報(表面電位・画像観察・機械特性・構造解析など)と組み合わせることで、より多角的な現象解明に取り組む予定です。Biolin Scientific社には、原理面からアプローチした装置の更なるブレイクスルーや解析技術の進歩、他装置との同時測定への展開に今後期待します。